移動通信環境におけるLMSアダプティブアレーの収束特性の改善

藤元 美俊  堀 俊和  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J87-B   No.9   pp.1240-1248
発行日: 2004/09/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (ワイヤレスパーソナル通信におけるアンテナ・伝搬の最新技術論文特集)
専門分野: アダプティブ・スマートアンテナ技術
キーワード: 
アダプティブアレー,  移動通信環境,  連続制御,  LMS,  

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あらまし: 
LMSアダプティブアレーを長時間動作させた場合に,収束特性が極端に劣化する問題点,及び強力な直接波が存在する場合にこれを抑圧してしまう問題があることを指摘し,これらを解決する手段として,以下の二つの手法を提案する.1)重み係数を定期的にリセットする"リセット法," 2)重み係数が小さくなるように修正を加える "収縮法".計算機シミュレーションの結果,リセット法,収縮法ともに,レイリーフェージング環境における追従性の劣化を回避する手法として有効であるものの,性能としてはリセット法の方が優れていることが分かった.また,仲上-ライスフェージング環境下では,反射・回折波に対して直接波の電力が10 dB程度以上強い場合は,リセット法ではSINRが改善されないことが分かった.一方,収縮法では直接波の強度にかかわらず高いSINRが得られ,従来のLMSに見られる直接波抑圧の現象を回避できることが分かった.提案手法は,到来波の状況を判断することなく,常に固定のアルゴリズムを用いて長時間連続的な制御を可能にするものであり,アダプティブアレーの実用化に向けて広く応用できるものと期待できる.