実環境で受音した楽音をキーとする楽曲探索法

黒住 隆行  柏野 邦夫  村瀬 洋  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J86-D2   No.12   pp.1719-1726
発行日: 2003/12/01
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: パターン認識
キーワード: 
音響信号探索,  正規化,  部分空間,  ノイズ,  検索,  

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あらまし: 
実環境で収録された楽曲の断片をキーとし,膨大な楽曲データからそれと同一の楽曲を探索する手法を提案する.本手法は,時系列探索,すなわち,ある信号の断片がそれとは別の長時間の信号のどの時点にあるかを探索するという枠組みに基づく.時系列探索についてこれまで,時系列アクティブ探索法など高速性に主眼をおいた手法が提案されているが,実環境で収録された音のように,様々なひずみを含んだ信号を精度良く探索する手法については検討されていなかった.本手法の基本的なアイデアは,時間周波数空間上で局所領域ごとに正規化を行った後,機器特性や環境雑音などによるひずみに対して頑健な部分空間に射影して照合を行うというものである.本手法を用いて,実環境でマイクやPHSで収録した10秒の音響信号の断片が,116時間分のCD品質の蓄積信号のどの曲のどの時刻に対応するかを調べる課題について実験を行ったところ,単純なパワーによる正規化とスペクトル照合を用いた場合に12.8%であった探索精度が,71.2%にまで改善し,本手法の有効性が確認された.本手法により,様々なひずみに対して頑健な音響信号探索が可能になると考えられる.