キャッシュを用いた漸次的PDFA学習と対話型エージェントへの適用

岡本 昌之  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J86-D1   No.8   pp.524-531
発行日: 2003/08/01
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 特集論文 (ソフトウェアエージェントとその応用論文特集)
専門分野: モデル/理論
キーワード: 
対話モデル,  確率決定性有限オートマトン,  状態マージング法,  漸次的学習,  対話型エージェント,  

本文: PDF(459.2KB)>>
論文を購入




あらまし: 
本論文の目的は有限状態機械を用いたタスク指向対話モデルを漸次的に構築するための構築コスト削減手法の提案である.タスク指向の対話エージェント構築においては,対話事例を収集しつつ徐々にエージェントを構築する手法が利用可能である.対話エージェントを構成する対話モデルとして有限状態機械を利用する場合,状態マージング手法を用いた確率決定性有限オートマトンの学習アルゴリズムが利用可能であるが,これらのアルゴリズムでは事例が増えるごとに学習をやり直す必要がある.我々は,マージング履歴をキャッシュすることで事例増加時の再計算コストを減らす手法を提案し,合計110の観光案内に関する対話事例を用いて同値性の確認回数と学習後のモデルを評価した.その結果,同値性の変化した箇所だけ再計算する方式により,結果のモデルの状態数と再計算コストの減少量との間には学習パラメータによるトレードオフが存在するものの,もとのアルゴリズムと比べてほとんど対話モデルの質を変えることなく同値性の確認回数を合計33.0%削減した.また,実際の対話エージェントへ適用することで,対話事例収集のコストを大きく変えないことを確認した.