再送回数に制限のある選択再送ARQ方式のメッセージ伝送遅延の近似解析とその特性

藤井 俊二  林田 行雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J86-B   No.6   pp.887-899
発行日: 2003/06/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 基礎理論
キーワード: 
選択再送ARQ方式,  再送制限回数,  メッセージ伝送遅延,  近似解析,  待ち行列理論,  

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あらまし: 
フレームの再送回数に制限のある選択再送ARQ方式のメッセージ伝送遅延分布,スループット並びに受信バッファ容量に関して,筆者らは文献[1]で厳密解析を行ったが,ラウンドトリップ伝搬遅延,メッセージからフレームへの分割数,送信ノードにおける蓄積フレーム数並びに再送制限回数が大きくなると,マルコフ連鎖の状態空間の増大により伝送遅延の数値結果を得る際の計算量が膨大になることが問題点として残されている.そこで本論文では,伝搬遅延やメッセージの分割数などのパラメータが大きい場合の数値計算を容易にするために近似解析を行い,メッセージ伝送遅延分布の母関数を導出している.また,近似式を厳密解並びにシミュレーションによりその有効性を確かめている.更に,この近似解析結果を用いて,メッセージ伝送遅延特性を検討した結果,メッセージを構成するフレームの再送回数を制限することにより,平均メッセージ伝送遅延性能の改善ができること,この性能改善はフレーム誤り率が増加するにつれて顕著になることを明らかにしている.更に,平均メッセージ伝送遅延に上限値が存在することも示している.