再送回数に制限のある選択再送ARQ方式の性能の厳密解析

藤井 俊二  林田 行雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J86-B   No.6   pp.876-886
発行日: 2003/06/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 基礎理論
キーワード: 
選択再送ARQ方式,  再送制限回数,  メッセージ伝送遅延,  スループット,  受信バッファ容量,  

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あらまし: 
データ通信システムで用いられる代表的な誤り制御方式である選択再送ARQ方式において,フレームの再送回数に制限を設ける方式の性能解析を行う.本方式では,ある程度の情報損失が許される画像などのメッセージを複数個のフレームに分割して伝送し,あらかじめ設定した再送制限回数に達したフレームは,たとえ誤りがあったとしても,受信側では雑音などとしてこれに適当な処理が施せるものとして受理する.これにより,メッセージの伝送開始から終了までの時間に上限を設けることができる.離散時間系待ち行列モデルを用いて解析を行い,メッセージ伝送遅延分布を導出している.また,スループット並びに受信バッファ容量を求めている.更に,スループット性能の改善並びに受信バッファ容量の軽減が図られることを数値例により示している.しかし,厳密解析ではラウンドトリップ伝搬遅延,メッセージの分割数といったパラメータが大きくなるにつれて,マルコフ連鎖の状態空間が増大するため,伝送遅延の数値計算が困難になる.そこで,メッセージ伝送遅延の近似解析並びにその特性については,文献[1]で検討する.