ステレオ信号間のパワー差を考慮したステレオエコーキャンセラに関する一検討

中川 朗  羽田 陽一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J86-A   No.10   pp.989-997
発行日: 2003/10/01
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 電気音響,音響一般
キーワード: 
音響エコーキャンセラ,  ステレオパワー比,  適応アルゴリズム,  ルート正規化,  非線形前処理制御,  

本文: PDF(1.2MB)>>
論文を購入




あらまし: 
ブロードバンドネットワークの普及に伴い,ステレオ音声による双方向通信などの高臨場感音響通信の実現が望まれている.この際,スピーカとマイクロホンを用いた拡声通話を行おうとすると,ハウリングやエコーが発生するため,ステレオエコーキャンセラ(SEC)技術が必要となる.このSECでは,相手側(遠端)から送信されてくるステレオ受話信号間のパワーが大きく異なる場合,真のエコーパスへの収束速度(係数誤差収束速度)が劣化するという問題がある.本論文では,SECに用いられる適応アルゴリズムに対して,ステレオ受話信号を二乗和のルートで正規化する手法を導入し,収束速度を改善する.更に,SECの適応フィルタの不定解問題を防ぐための非線形前処理部に,付加する非線形成分量をステレオ信号のパワー差から求める方式を用い,更に収束速度を改善する方式を提案する.計算機シミュレーションにより,その効果を確認した結果についても併せて報告する.