生体等価ファントムの電気定数の誤差が局所SAR及びSAR分布に及ぼす影響

河井 寛記  吉村 博幸  伊藤 公一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J85-B   No.5   pp.619-630
発行日: 2002/05/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (人体ファントムとその応用論文特集)
専門分野: ファントムとSAR評価
キーワード: 
生体等価ファントム,  電気定数の差異,  局所SAR,  補正方法,  FDTD法,  

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あらまし: 
生体等価ファントムを用いたSARの実験的評価が盛んに行われている.しかしながら,ファントムの電気定数を所望の値と完全に一致させることは難しい.そこで,高精度なSAR評価を実現するためには,電気定数の差異がSARに及ぼす影響を把握することが重要である.本論文では,ファントムの電気定数の差異による局所SAR(ピーク,1 g平均,10 g平均)の誤差を低減して高精度なSAR測定を行うため,電気定数の差異が局所SAR及びSAR分布に及ぼす影響について,900 MHz用及び2.0 GHz用脳等価モデルを対象として検討を行った.また,そのなかで,電気定数の差異による局所SARの変動範囲を明らかにした.その結果,局所SARが電気定数の変動に対してほぼ比例することがわかった.また,2.0 GHzでは900 MHzと比較して,比誘電率の変動による局所平均SARの変化量が増加し,導電率の変動による局所平均SARの変化量が減少することを示した.更に,内部SAR分布が電気定数の変化に伴って変動することを確認した.最後に,これらの検討結果をもとに,局所SAR測定時の電気定数の差異による誤差の補正方法及び注意点を示した.