SCM光伝送におけるクリッピングによるひずみ振幅の統計モデルとひずみ量の測定値に関する検討

前田 和貴  塚本 勝俊  小牧 省三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J84-B   No.6   pp.973-981
発行日: 2001/06/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 光ファイバ伝送
キーワード: 
光伝送,  M-QAM信号,  インパルス雑音,  振幅分布,  ひずみ量,  

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あらまし: 
光CATVに用いられるSCM光伝送では,クリッピングにより発生するひずみがインパルス雑音と同様の振舞いを示すことが指摘されている.本論文では,このひずみの発生がポアソン分布し,かつ,帯域制限された雑音と同様の特性をもつと仮定し,振幅分布がMiddletonのクラスAモデルに従うことを理論的に導出する.一方,クリッピングによるひずみ電力の理論値について,従来から様々な議論が重ねられてきている.本論文では,スペクトラムアナライザによる雑音電力測定に原理的な測定誤差が存在することに着目し,本論文で導出するひずみ振幅の統計モデルを使用して,クリッピングによるひずみの振幅分布がインパルス雑音的に振る舞う場合の測定誤差を計算し,測定値と比較検討した.この結果,スペクトラムアナライザによるひずみ量の表示値がもつ,非常に大きな誤差に対する補正量を理論的に明らかにする.光CATVに用いられるSCM光伝送において,通常設定される光変調度ではひずみ量の測定値は実際の値より小さな値が表示され,それが20 dB程度にも達する場合がある.このような誤差を本論文で提案する手法で測定値を補正すると,Salehの式によるクリッピングによるひずみ量の理論値は,おおむね妥当であるとの結論を得た.