GPS衛星電波の視線方向遅延量を用いた局所的な水蒸気空間分布推定のトモグラフィ手法

吉原 貴之  野口 渉  津田 敏隆  平原 和朗  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J84-B   No.12   pp.2236-2243
発行日: 2001/12/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (GPS論文小特集)
専門分野: 地上・海上システムへの応用
キーワード: 
水蒸気分布,  視線方向遅延,  トモグラフィ,  局所観測,  

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あらまし: 
地上に設置したGPS受信機を用いて大気中の水蒸気量を測定する研究が各方面で進められている.そのなかで,一つの積雲(~数km)の水平スケール程度である10 km以内の領域に多数のGPS受信機を配置し,トモグラフィ手法を用いて水蒸気の空間3次元分布を推定する「GPS水蒸気トモグラフィ」が注目されている.この観測法では,高い測定精度と数十分以内の時間分解能が要求される.しかし,マルチパスの影響を考慮して衛星仰角が15°以上の受信データを用いること,及び地上から見たGPS衛星の動きが最大で1時間に30°と遅く,衛星から受信機に至る電波伝搬経路(パス)が短時間では空間的に偏在するため,1~2時間程度の推定時間間隔にとどまっている.そこで,本研究では,推定時間間隔の向上をめざし,水蒸気推定領域全体を周りの風系とともに移動させ,推定領域全体にパスが通過するようにトモグラフィ手法の改良を行い,シミュレーションを用いてこの解析法の有効性を検証した.その結果,水平-鉛直2次元断面で仮定した水蒸気分布モデルが数十分の推定時間間隔で再現された.