多次元有向情報量とその脳波因果性解析への応用

阪田 治  椎名 毅  斎藤 陽一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J83-A   No.5   pp.466-475
発行日: 2000/05/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 
多次元有向情報量,  脳波,  因果性解析,  時系列処理,  

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あらまし: 
脳波は頭皮上の複数部位に配置した電極から多系列の信号として得られるが,この多数部位間の情報の流れを可視化できれば,脳の活動状態を客観的に把握する手がかりを得たり,脳機能障害の有無の診断に役立つ可能性がある.この各信号間の情報の流れを調べるいわゆる因果性解析の手法として,有向情報量解析法が提案されている.それは多数の時系列中の任意の2系列に注目し,その間の情報の流れを調べるものである.しかし,得られた信号系列が三つ以上のとき,一般にはそれらが互いに関係をもっている.このため,特定の2系列間の因果関係を調べる際にも,それ以外の系列が及ぼしている影響を考慮に入れなければ正確な情報の流れを調べることができない.そこで我々は,有向情報量解析法を拡張した多次元有向情報量解析法を提案した.本論文では,シミュレーションにより多次元有向情報量解析法の有効性を確認し,更に健常者と脳器質障害患者の脳波にこの手法を適用し,頭皮上における情報の伝搬状態という点で障害の有無を反映した違いを呈することを確かめた.