仮現運動によるエネルギー形運動検出機構のフーリエ運動検出モデルとしての正当性評価

松井 利一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J83-A   No.3   pp.332-342
発行日: 2000/03/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ヒューマンコミュニケーション
キーワード: 
フーリエ運動検出機構,  エネルギーモデル,  仮現運動,  運動錯視,  崩壊現象,  

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あらまし: 
視覚系フーリエ運動検出機構のモデルとしてエネルギー形運動検出モデルが利用されてきたが,その正当性が保証される条件に関しては必ずしも明確になってはいない.そのため,使用される時間フィルタの特性はまちまちである.本論文では,2フレーム仮現運動における運動錯視現象と連続仮現運動におけるフーリエ運動検出機能の崩壊現象に着目し,両現象に対するエネルギーモデルの再現性能を評価することにより,フーリエ運動検出モデルとしてエネルギーモデルが具備すべき条件を明確化する.その結果,両現象が共に再現できるためには,エネルギーモデルの2種類の時間フィルタがヒルベルト変換の関係を満たす帯域フィルタであり,かつ視覚系と同等の広い帯域幅をもつ必要性のあることが示される.エネルギーモデルの枠組みに沿って考えるならば,この結果は,視覚系フーリエ運動検出機構にはヒルベルト変換形の帯域通過時間フィルタが存在すること,及びその帯域幅の広さにはそうでなければならない理由が存在することを計算論的に示唆している.更に,フーリエ運動検出機能の崩壊メカニズムの詳細についても計算論的立場から明確化される.