雑音位置情報と画像の方向性を考慮したインパルス性雑音除去手法

松本 哲夫  田口 亮  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J83-A   No.12   pp.1382-1392
発行日: 2000/12/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 特集論文 (多次元信号処理とその応用・実現論文小特集)
専門分野: 画像信号処理
キーワード: 
インパルス性雑音,  雑音位置画像,  メジアンフィルタ,  平均値フィルタ,  荷重平均値フィルタ,  

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あらまし: 
インパルス性雑音重畳画像の復元を行う優れた手法として,処理点と処理に用いる画素に対してインパルス性雑音の位置情報を用いる方法がある.この手法は,二つの過程により構成されている.過程1は,画像中に存在するインパルス性雑音の検知を行い,雑音位置画像を作成する過程である.過程2は,過程1で作成された雑音位置画像を用いて,インパルス性雑音で劣化している画素にのみ,その近傍のインパルス性雑音の影響を受けていない画素だけを用いてフィルタ処理を行う過程である.この過程2に対する優れた手法として平均値フィルタを採用した手法(PSAフィルタ)が提案されている.しかしながら,平均値フィルタによる手法では,フィルタ窓内の画素すべてに均一な荷重を課すため,インパルス性雑音の発生確率が高くなった場合などの本来フィルタ窓幅を大きく設定したい場合においてもその窓幅を広げることができなかった.また,個々の画像には画像固有の方向性があるが,その方向性もフィルタ処理に考慮されていないことを意味する.本論文では,その問題点を解決するために過程2のフィルタ処理に画像の方向性と処理点からの距離を考慮した荷重をもつ荷重平均値フィルタを採用したPSWAフィルタを提案する.提案するフィルタを適切に適用するためには,設定すべきパラメータが二つ(窓幅 N とパラメータ κ)あるが,それら二つのパラメータは,実験的検討から原画像の種類には依存せず,インパルス性雑音の発生確率にのみに依存することを明らかにした.更に,インパルス性雑音の発生確率から,それら二つのパラメータの与え方を具体的に示した.提案手法の有効性は,種々の処理例を通じて明らかにする.