ART1におけるカテゴリー数低減化分類手法

高岡 哲也  泉田 正則  村上 研二  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J82-D2   No.5   pp.952-960
発行日: 1999/05/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
ART1,  適応共鳴理論,  ビジランスパラメータ,  トップダウン-ボトムアップ荷重,  

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あらまし: 
特徴空間上に分布したデータ集合を, ある一定の分類尺度(ビジランスパラメータ)に基づいて 分類するART(Adaptive Resonance Theory)がGrossberg等により 提案されている. ARTでは「競合」と「共鳴」の二つの操作により, 既存のカテゴリーの選択と新しいカテゴリーの生成が適切に行われることから, 過去と現在の学習結果を矛盾することなく共存 (いわゆる「可塑性-安定性のジレンマ」を回避)させることができる. しかしながら,ARTの分類結果は, 本来影響を受けてはならない「データの提示順序」に影響を受けるため, 同じデータ集合に対して異なるカテゴリー数・異なる分類結果で 分類されることがある. 本研究では, この問題点を解決するため, 「ビジランスパラメータの漸近的設定」と 「プロトタイプの確率的復元」という二つの操作を提案する. 「ビジランスパラメータの漸近的設定」は, 分類尺度(ビジランスパラメータ)を最も緩い値から 指定した値まで漸近的に変化させることで, 分類結果を粗いものから細かいものへと徐々に移行させ,指定した分類尺度において生成されるカテゴリー数を低減するための操作である.また,「プロトタイプの確率的復元」は,ある分類のもとで決定されるプロトタイプ(カテゴリーの代表値)を確率的に変化させることで,データの提示順序の変化に対応しようとする操作である.この二つの操作により,データの提示順序によらず最小若しくはそれに近いカテゴリー数の分類結果が得られるARTを構築することが可能となる.本研究では,いくつかのARTモデルのうち,特にバイナリーデータを分類するART1に対して,この二つの操作を導入し,いくつかのデータ集合に対してその能力を確かめた結果,データの提示順序によらず生成されるカテゴリー数を最小若しくはそれに近い個数に低減できることが確かめられた.