環境の変化に適応できる複製・競合動径基底関数ネットワーク

奥原 浩之  佐々木 浩二  尾崎 俊治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J82-D2   No.5   pp.941-951
発行日: 1999/05/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
シナプス可塑性方程式,  競合動径基底関数ネットワーク,  自由エネルギー,  複製,  

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あらまし: 
関数近似問題やパターン識別に適したニューラルネットワークの一つに 動径基底関数ネットワークを考えることができる. 動径基底関数ネットワークは階層型ニューラルネットワークに比較して ニューロンごとの局所的な学習が可能であるなどの優れた点をもつ. しかし, 動径基底関数ネットワークでは未知の非線形関数を近似するため, あらかじめ必要なニューロン数が不明である. このことが学習の遅延化や過学習の問題を引き起こしている. これらの問題を解決するために, 我々は先に競合動径基底関数ネットワークを提案した. 競合動径基底関数ネットワークでは, シナプス結合荷重間の競合を考慮したシナプス可塑性方程式を利用することにより 学習の効率化を図ることができた. ところが, 競合動径基底関数ネットワークは不必要な動径基底関数を削除する能力をもつものの, 必要とされる動径基底関数を追加する能力は備えていなかった. そこで本論文では, シナプス可塑性方程式に関する考察から, 必要な動径基底関数を効率的に追加する手法を提案する. この手法では, 学習が収束した時点で得られている動径基底関数の特性の一部を 新たに追加される動径基底関数が引き継いでいる. そこで, 本手法を競合動径基底関数ネットワークに組み合わせた ニューラルネットワークを複製・競合動径基底関数ネットワークとして提案する. シミュレーションでは, 複製・競合動径基底関数ネットワークを関数近似に適用し, 累積2乗誤差関数を効率良く, より小さくできることを示す. また, 従来の動径基底関数ネットワークに比較して高速に学習できることも示す.