クリティカルセクションのアボートを用いたリアルタイム同期プロトコル

高田 広章  坂村 健  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J81-D1   No.8   pp.966-975
発行日: 1998/08/25
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Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: ソフトウェア基礎
キーワード: 
リアルタイム同期プロトコル,  優先度逆転,  アボート,  スケジュール可能性の解析,  

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あらまし: 
ハードリアルタイムシステムにおいて,共有データの排他アクセスに伴う優先度逆転の最大時間を短縮するための有力なアプローチとして,クリティカルセクションをアボートさせる方法がある.このアプローチをとる場合,アボートの起こる状況を必要最低限にして,アボート後の再実行によるオーバヘッドを小さくすることが重要になる.本論文では,クリティカルセクションのアボートを利用したリアルタイム同期プロトコルであるselective abort protocol(SAP)を提案する.SAPは,アボートを利用する従来のリアルタイム同期プロトコルに比べて,アボートの起こる条件をより細かく制御することができ,オーバヘッドをより小さくすることができる.また,SAPを用いた場合のスケジュール可能性の解析手法を示し,スケジュール可能となるようアボートの起こる条件を決める方法について述べる.SAPの適用性を示す例として,従来の同期プロトコルではスケジュール可能にできないが,SAPを使うとスケジュール可能になるタスクセットの例を示し,それらのスケジュール可能性の解析例を示す.