高分子ゲルファントムを用いたSAR分布の計測白濁形状と等電力吸収面の対応関係に関する検討

保科 紳一郎  宮川 道夫  金井 靖  柏 達也  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J81-B2   No.10   pp.974-982
発行日: 1998/10/25
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Print ISSN: 0915-1877
論文種別: 論文
専門分野: 電磁環境
キーワード: 
ファントム,  高分子ゲル,  SAR分布,  可視化,  FD-TD法,  

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あらまし: 
生体の電磁波被曝(ばく)量評価の一手法として,高分子ゲルを用いたファントム内の吸収電力の可視化手法を提案してきた.微量の非イオン系界面活性剤を含む高分子ゲルは一定温度以上になると急激に白濁する性質をもつ.そのため,電磁波エネルギーを吸収し温度上昇した部分を白濁領域として観察することが可能である.白濁領域表面はファントムが白濁する温度を示す等温度曲面を表している.従って基本的には等電力吸収面を表していると考えられる.しかし熱伝導の影響いかんによっては,白濁領域形状と吸収電力分布が一致しないこともありうる.本論文では白濁領域形状と等電力吸収面の同一性について検証した.すなわち,ファントム内に形成された白濁領域形状の計測結果と,3次元FD-TD法(Finite-Difference Time-Domain method)により求めたファントム内の吸収電力分布を比較すると共に,熱伝導のファントム内の温度分布に与える影響について検討した.その結果,電磁波照射時間が1分程度以下であれば電磁波被曝により生じた白濁形状と計算より求めた等電力吸収面はよく一致することを確認し,白濁形状から電磁波被曝量を測定する本手法の妥当性が実証された.