レート型ふくそう制御における仮想端点の効果

原田 秀剛  稲井 寛  山北 次郎  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J81-B1   No.2   pp.81-90
発行日: 1998/02/25
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Print ISSN: 0915-1885
論文種別: 論文
専門分野: 通信網,通信サービス
キーワード: 
レート型ふくそう制御,  仮想端点,  待ち行列網モデル,  近似解析,  

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あらまし: 
ATM網のような広帯域通信網におけるデータ転送において中継ノードのバッファあふれによるデータの消失を防止し,高スループットを達成するためには,網の状態に応じて送信側が送出速度を動的に変化させるレート型ふくそう制御が有効とされている.しかしながら,網の規模が大きくなってくると網の状態の問合せに要する遅延が増大し,適切なふくそう制御を行うことが困難となる.この問題の解決策の一つは,送受信端末間の中継ノードにいくつかの仮想的な端点を設けて網を論理的なブロックに分割し,各ブロックでそれぞれふくそう制御を行うことである.仮想端点を設けることで遅延を小さくし,その状況に対して適切なふくそう制御を行うことで,各交換機の待ち行列長を低くおさえ,バッファあふれによるセル廃棄を減らすことができる.本論文では,ATM網を待ち行列網でモデル化し,そのモデルの近似解析を行って送受信端末間に仮想端点を設けた場合の効果について性能評価を行っている.いくつかの数値例をあげて,端末間の遅延や仮想端点の位置が交換機の待ち行列長に及ぼす影響を調べ仮想端点の効果を検討している.そのなかで,仮想端点を設けることにより,むしろ悪い結果となる場合を明らかにし,その原因について考察を加えている.仮想端点を有効に機能させるためには仮想端点の個数を増加させたり,仮想端点の位置を考慮するだけでは十分ではなく,仮想端点が送信側端末に転送速度の減少を通知する機能を付加することや,仮想端点の転送速度の減少率を低くすることを検討する必要があることを確認した.