ストローク代表点の相対位置情報に基づく視覚障害者用オンライン文字認識

清田 公保  櫻井 敏彦  山本 眞司  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J80-D2   No.3   pp.715-723
発行日: 1997/03/25
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 画像・パターン認識,コンピュータビジョン
キーワード: 
視覚障害者,  オンライン文字認識,  特徴抽出,  個人辞書,  

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あらまし: 
視覚障害者,特に中途失明者を対象としたオンライン手書き文字認識システムについて述べる,視覚障害者による手書き文字はストローク相互の相対位置が不安定となるため,従来の有力な認識手法,例えば文字全体におけるストロークの構造情報を直接用いることが困難である.このため,本論文では視覚障害者用の認識システムとして,筆順に沿ったストローク代表点相互の局所的な相対位置に着目した特徴による認識手法を検討する.ストロークの代表点には実ストロークの始点,中点,終点の3点と虚ストロークの中点,計4種類を用い,筆順に沿った各代表点間の相対位置を8方向コードで表した移動方向コード列を特徴量とした.更に,入力文字と辞書とのマッチング処理には,対応する各特徴量のずれを±1方向コードまで許容し加算する得点制を導入した.この処理により,視覚障害に起因してストロークの相互関係に部分的に大きな変動が生じた場合でも文字全体の評価に悪い影響を与えず,一致度の高い特徴量のみを評価することが可能になった.視覚障害状態によって書かれた教育漢字1005字種に対する12名の認識実験の結果,第1候補での平均認識率は96.4%,第3候補までの累積認識率は98.9%に達し,本認識手法が視覚障害によって変形を受けた文字に対しても有効であることが確認できた.但し,認識用辞書は個人別に用意し,過去6回分の記入文字から学習させた.また,4回程度の学習で画数や筆順変動などの個人の癖をほぼ吸収できることがわかり,個人辞書学習の有効性も明らかにした.