マルコフ誤りチャネルにおける選択再送ARQ方式の伝送遅延特性

藤井 俊二  林田 行雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J80-B1   No.5   pp.256-265
発行日: 1997/05/25
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Print ISSN: 0915-1885
論文種別: 論文
専門分野: 通信方式,通信伝送機器
キーワード: 
選択再送ARQ方式,  マルコフ誤りチャネル,  伝送遅延,  待ち行列理論,  

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あらまし: 
データ伝送システムで用いられる代表的な誤り制御方式に選択再送ARQ方式がある.これまで,この方式の伝送遅延解析はほとんどが独立誤りチャネルに対して行われている.しかし,実際にはチャネルの状態は変動しており,それに伴う誤りの発生が独立でない場合がある.本論文では,非独立誤りチャネルにおいて選択再送ARQ方式の伝送遅延特性を考察している.チャネルの状態変化を2状態マルコフ連鎖で表した誤りモデルを用いて,離散時間系待ち行列システムとして厳密解析を行い,フレームの伝送遅延分布を導出している.しかし,ラウンドトリップ伝搬遅延やフレーム待ち行列長が大きくなると,状態空間の増大により数値結果を得る際の計算量が膨大となる.そこで,伝搬遅延やフレーム待ち行列長が大きい場合の数値計算を容易にするために近似解析を行い,その数値例から平均伝送遅延特性を検討している.その結果,マルコフ連鎖のディケイファクタが正の値から0に近づくほど平均伝送遅延性能がより改善されることを明らかにしている.