Cフィルタにモデル化誤差が存在する場合のFiltered-x LMS法における安定条件の導出

矢吹 淳哉  梶川 嘉延  野村 康雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J80-A   No.11   pp.1868-1876
発行日: 1997/11/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 
ANCシステム,  Filtered-x LMS法,  ステップゲイン,  モデル化誤差,  

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あらまし: 
Filtered-x LMS法を用いてANCシステムを動作させる場合,ステップゲインと呼ばれる定数を決定しなくてはならない.ところが,これは小さ過ぎるとフィルタ係数の収束が遅くなり,それを速くするために大きくし過ぎるとシステムが安定に動作しなくなる.そこで,システムの安定性を満たし,かつ収束が速い値を選ぶために,安定に動作する上限値を知る必要があるが,従来はその値が不明であったため,ステップゲインは試行錯誤して決定されていた.またFiltered-x LMS法には,ANCシステムにおける2次音源スピーカと誤差検出マイクロホンの間の経路(Error Path)Cを同定したフィルタCが必要であり,当然これにはモデル化誤差が含まれている.本論文では,このような場合に,許容されるCCの位相誤差から安定に動作するステップゲイン値の上限を求める理論式を導出する.また,同理論式を実際のシステム稼働時に入手可能な情報で表現することを試みる.更に,理論式によって得られたステップゲイン値を使用した場合とその他の値を使用した場合における収束特性の比較を行い,提案する理論式の有効性を示す.