つぶれを考慮した低品質印刷文字の高精度認識

大町 真一郎  阿曽 弘具  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J79-D2   No.9   pp.1534-1542
発行日: 1996/09/25
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 画像・パターン認識,コンピュータビジョン
キーワード: 
文字認識,  品質,  低品質文字,  つぶれ,  印刷文字,  

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あらまし: 
明瞭に印刷された高品質の文字と比較して,つぶれがある低品質の文字では文字のパターンが変わってしまうため,誤認識を起こしやすくなる.本論文では,つぶれのある低品質の文字の高精度な認識手法を提案する.そのため,まず文字パターンの各部分領域ごとにつぶれの程度を表す指標(つぶれ度)を定義し,つぶれ度の性質を調べる.その結果に基づき,つぶれの影響を軽減するための新たな動的重み付けを導入し,低品質文字を高精度に認識できることを示す.動的重み付けは未知パターンから部分領域ごとのつぶれの程度を求め,つぶれによって生じる形状の変化を補正するものであり,従来の統計的な認識手法の欠点を補うものであると言える.また,つぶれ度をもとに文字パターンの品質を表す尺度(平均つぶれ度)を定義し,これをもとに識別不能かどうかの判定を行う基準を提案する.この基準を認識手法に組み込み,複写して劣化させた文字を用いた認識実験を行い,手法の有効性を確認する.なお,動的重み付けはつぶれのある文字パターンに対して有効に働き,つぶれのない文字パターンに対しては一様な重みとなりその影響は皆無である.提案手法は,従来の特徴量の性質を生かしながら,文書に紛れ込んでくるつぶれた文字も統一的に扱える手法となっている.