非晶質合金多層膜およびこれを用いたVTRヘッドの周波数特性

大友 茂一  山下 武夫  熊坂 登行  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J79-C2   No.5   pp.183-190
発行日: 1996/05/25
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Print ISSN: 0915-1907
論文種別: 論文
専門分野: 記録・記憶技術
キーワード: 
高周波VTRヘッド,  CoNbZr非晶質合金スパッタ膜,  多層膜,  複素透磁率,  渦電流損失,  

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あらまし: 
高周波VTRヘッド用磁性膜として,CoNbZr非晶質合金スパッタ膜,およびSiO2膜との多層膜の複素透磁率の周波数特性を検討した.単層膜の磁化困難方向の透磁率μ′およびμ″は渦電流損失の理論から得られる周波数特性に良く一致する.多層膜では,非晶質合金膜1層当たりの膜厚の減少に従って,μ′が低下し始める限界周波数fgmが増加し,高周波透磁率が増加する.しかし,fgmは渦電流損失による限界周波数の計算値fgcより低く,また30MHz以上の高周波で,渦電流の計算曲線に比較してμ′の低下,μ″の増加が見られる.この原因として,中間層の欠陥および電気容量による層間の渦電流の影響を検討し,欠陥による層間渦電流が前記のμ′の低下,μ′の増加を説明し得ることを見いだした.非晶質合金多層膜を用いたVTRヘッドの再生出力の周波数特性は,透磁率の周波数特性と同様の挙動を示し,1層約3μmの多層膜を用いたヘッドは,18μmの単層膜を用いたヘッドに比較して,50MHzでの再生出力の減衰を約9dB改善することを明らかにした.