ファジー理論に基づく音声聴取時の有色外来雑音に対する心理的評価手法

山口 静馬  佐伯 徹郎  老松 建成  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J79-A   No.4   pp.845-857
発行日: 1996/04/25
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DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 騒音,振動
キーワード: 
ファジー理論,  有色外来雑音,  心理的評価,  SN比,  音声聴取,  パワースペクトル,  

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あらまし: 
近年,住環境や生活環境の質的向上が重要視されるようになったが,情報伝達の最も基本的な手段の一つである直接的な音声伝達における音場の質的向上も例外ではない.聴取者が外来雑音に悩まされて注意力が散漫になることなく,音声聴取に専念できる快適な音環境を実現することは重要である.音声信号と外来雑音との関係についてはこれまで多くの研究者によって考察されその成果が蓄積されている.しかしこれらの多くは,例えばマスキング効果や明瞭度特性などのように,音声の知覚や理解といった観点からの,どちらかと言えば,考察の力点が音声信号の方に置かれているものが多いように思われる.本論文はこれらの研究とは次の二つの点で異なっている.1番目は,音声信号ではなく外来雑音の方を評価の対象としていることである.2番目は,感覚的評価はあくまで人間の主観的判断によるものであり,この主観量に不可避的に付随するあいまい性を当初から考慮していることである.具体的には,音声聴取時に任意のパワースペクトル形状をもつ無意味な有色雑音が外部から侵入してきた場合,聴衆がその雑音に対してどのような心理的判断を下すかを推定または予測する問題を,ファジー理論を用いて考察したものである.ここに提案された手法の妥当性を室内心理実験による実測データを用いて検証している.