外国人に対する漢字指導効果の眼球運動による測定-導入期における筆順指導と構造指導の比較

松原 幸子  須佐見 憲史  大塚 作一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J79-A   No.2   pp.241-250
発行日: 1996/02/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 特集論文 (ヒューマンコミュニケーション論文特集)
専門分野: 知的活動・コミュニケーション支援
キーワード: 
日本語,  教育,  漢字,  外国人,  眼球運動,  

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あらまし: 
漢字の能力は日本語の習得に大きく関与する.ところが,外国人,特に非漢字系初級日本語学習者にとっては,漢字を見ることが難しい問題となっている.これについては,漢字学習以前にまず漢字の構造を視覚的に把握させる漢字指導法が試みられている.本論文では検討対象を漢字の導入期における筆順指導(従来の一般的指導法)と構造指導(上述の新しい試み)の比較に限定し,注視点の解析方法を検討し,解析方法の有効性の確認を行った.また,一般的な計測の指針である筆記テスト(漢字再生テスト)との比較検討も行った.実験の結果,筆順指導による導入法と構造指導による導入法との指導効果の差が,視線解析によって検出できた.従って,視線解析は指導法の効果を測定する一つの尺度になり得ると言える.漢字導入法の優劣に関しては,構造指導が総合的に判断して優位であることが示唆された.更に,構造に関する知識には持続性があることと,構造指導によって中級学習者に近い見方が速やかに獲得されるという知見も得られた.