1.3μm帯赤外光検出用Dy3+,Er3+共添加YBr3波長上方変換蛍光体

大脇 純一  大塚 正明  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J78-C1   No.12   pp.635-641
発行日: 1995/12/25
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Print ISSN: 0915-1893
論文種別: 論文
専門分野: 光エレクトロニクス
キーワード: 
波長上方変換,  蛍光,  ディスプロシウム,  エルビウム,  臭化物,  

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あらまし: 
YBr3: Dy3+,Er3+蛍光体で1.3μm帯赤外→可視波長上方変換特性の高効率化を図った.最適組成の蛍光体(2DyBr3: 20ErBr3: 78YBr3)に波長1.3μmの半導体レーザ(LD)光(パワー:5mW)を照射したときの660nm(赤色,Er3+:4F9/24I15/2輻射遷移)および555nm(緑色,同:4S3/24I15/2)蛍光強度は,それぞれ塩化物蛍光体の約170倍,約60倍に向上した.本蛍光体はパワー1mW以上のコリメートLD光の照射により,予備励起なしで連続的に可視(黄色)発光するため,1.3μm帯赤外光を室内点灯下で目視で観測できる.また湿気遮断のため封止した状態で本臭化物蛍光体は安定であり,高効率波長変換特性を1年間以上保持している.本材料系ではDy3+が1.3μm光の吸収中心(6H15/2-6H9/2遷移)として働き,低フォノンエネルギー臭化物母体中でDy3+の励起準位からの多フォノン緩和を抑制することにより,Er3+発光中心にエネルギー伝達した後発光させている.臭化物中ではエネルギー伝達効率が低いためDy3+吸収中心を大量添加できたことも,本蛍光体での効率改善の一因である.その他,波長変換過程やEr3+からDy3+へのエネルギー逆伝達過程についても論じた.