マルチレート繰返し法によるサブバンド適応フィルタの収束速度の改善

貴家 仁志  西川 清史  芦原 浩司  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J78-A   No.2   pp.194-201
発行日: 1995/02/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 特集論文 (インテリジェント信号処理論文特集)
専門分野: 適応信号処理
キーワード: 
適応信号処理,  サブバンド適応システム,  マルチレート繰返し法,  有理数間引き,  

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あらまし: 
適応フィルタにフィルタバンクを応用したサブバンド適応システムは,高次の適応問題を底次の適応問題に帰着させることができる.適応フィルタ(adaptive digital filter)の次数低減は,帯域分割数と間引き率に密接に関係する.できるだけ大きな帯域分割数を選択し,最大間引きに近い間引き率を選択するほど,ADFの次数は低減するが,時間当りの係数更新回数が低減してしまう.このことは,結果として収束速度を低下させる.本論文では,サブバンド適応システムの間引き処理に伴う収束速度の低下の問題を改善する方法を考察する.提案法は,従来間引き処理によって捨てられていたデータを有効に利用し,収束速度の改善を行うものであり,マルチレート繰返し法と呼ばれる.まず,従来のサブバンド適応システムにマルチレート繰返し法を適用し,その収束速度の改善を行う.次に,更にマルチレート繰返し法をより効果的に適用できるサブバンド適応システムを導入する.その結果,サブバンド適応システムの利点である,ADFの次数の低減効果を保持したまま,より速い収束速度を得ることができる.