モジュール化ニューラルネットモデルの提案とその連想記憶能力の評価

小澤 誠一  堤 一義  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J77-D2   No.6   pp.1135-1145
発行日: 1994/06/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
ニューラルネット,  モジュール構造,  ホップフィールドネット,  誤差逆伝搬法,  連想記憶,  

本文: PDF(675.8KB)>>
論文を購入




あらまし: 
本論文では,モジュール構造をもつニューラルネット(モジュール化ニューラルネット)のモデル化手法として,情報処理様式をエネルギー関数で記述する方法を採用する.この一モデルとして,モジュールネットの情報処理とモジュールネット間の相互作用に対するエネルギー関数を線形に加算し,更にモジュールネットの状態間に多対多の写像関係がある場合でも適用可能としたCross-Coupled Hopfield Nets with Many-to-Many Mapping Internetworks(CCHN-MMMI)を提案する.また,CCHN-MMMIのネットワークダイナミックスを導出し,モジュール数が2であるCCHN-MMMIの想起特性とその連想記憶能力をシミュレーション実験により調べる.シミュレーション実験では,モジュール構造が明示的に与えられることによる効果を,その想起過程から従来の自己相関型連想記憶モデルとの比較により考察する.次に,文字パターン対の連想を例にとり,モジュールネットの状態間に多対多の写像関係がある場合でも正しく動作することを確認する.また,基本記憶をランダムに選んだとき,その数の増加に伴う想起ダイナミックスの劣化を定量的に調べ,連想記憶モデルとしての評価を行う.その結果,さまざまな基本記憶に対し,CCHN-MMMIはモジュールネットの状態間に多対多の写像関係がある場合でも正しく動作し,その相互作用は偽記憶の想起を妨げるよう機能することがわかった.特に,モジュールネット間の写像関係を多層ネットワークで学習するCCHN-MMMIでは,自己相関型連想記憶モデルに比べ大幅に連想能力が改善され,モジュールネット間に非線形な相互作用をもつことの効果が確認された.