リアルタイムプランニングにおける応答時間特性の解析手法

横田 英俊  橋本 和夫  浅見 徹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J77-D2   No.4   pp.838-849
発行日: 1994/04/25
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,認知科学
キーワード: 
プランニングシステム,  リアルタイム性,  応答時間,  エキスパートシステム,  

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あらまし: 
近年ESシェルなどのプランニングシステムを用いて構築されたシステムの適用領域として,障害監視,プロセス制御などリアルタイム性が要求される問題を取り扱う事例が増えている.このような領域をターゲットとしたシステムは,時々刻々と変化する外界からのデータを確実にプランニング結果に反映させなければならない.従ってそのプランニングにおいて常に時間的制約を受けるが,このような制約条件の充足性を知るためには,外界の変化に対するプランニングシステムの応答時間特性を解析することが必要となる.本論文は,リアルタイム性が要求されるさまざまな事例にプランニングシステムを適用する際に重要となる,プランニングシステムの応答時間特性を解析するための体系的な手法を論じた.具体的には,まず解析する系を,プランニングシステムとそれが扱う外界に分け,外界のイベントの振舞いや発生形態,ならびにプランニングシステム内部のデータの処理形態の観点より,8種類のモデルとして体系的に分類,整理した.次いで,各モデルに対する応答時間特性の解析手法を示した.特に外界のイベントが継続して存在し(非退去型イベント),かつその入力源が無限の場合において,競合解消を伴う処理(競合型処理)を行ったときの,応答時間の非収束性について指摘した.この問題に対して入力データの個数を制限する処理を付加することで応答時間の発散を抑えた場合の解析手法を示した.また外界のイベントがある時間の後に退去するような場合(退去型イベント)については,待ち行列を用いた解析によりプランニングシステムが1度に処理する平均データ数とその近似解を導き,これを用いた応答時間特性の解析手法,および近似解の適用範囲を示した.本論文で示した応答時間特性の解析手法は,プランニングシステムの処理時間の基本特性と外界のイベントの振舞いや発生形態から,要求される応答時間を算出することができ,リアルタイム性が要求されるシステムの設計の際に有効な指標となる.