ファジー理論の手書き文字認識への対応について

来海 雅俊  勅使川原 正樹  金山 憲司  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J77-D2    No.2    pp.271-277
発行日: 1994/02/25
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 画像・パターン処理
キーワード: 
文字認識,  識別関数,  主成分分析,  ファジー理論,  メンバシップ関数,  

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あらまし: 
文字認識技術は古くから研究が行われ既に実用化されているものも多いが,すべての問題点が解決されたわけではない.特に,自由手書き文字の認識については印刷文字の認識とは異なり,いまだに多くの課題が残されている.これら課題の中で,我々は文字認識手法の重合せ的手法における識別関数の部分に着目した.まず従来の代表的な統計的識別方法の問題点について考察した後,それらを解決するようなファジー識別関数を提案する.このファジー識別関数は学習サンプルの各主成分軸上のメンバシップ関数を辞書パターンとしてもつことにより,柔軟なデータ表現が可能となるので,更なる識別性能の向上が期待できる.そこでファジー識別関数の辞書となるメンバシップ関数を人間の主観から作成する方法,およびヒストグラムから作成する方法の二つの方法を用いて手書き文字を対象に簡単な認識実験を行った.人間の主観からメンバシップ関数を作成する方法では手書き英数字データベースETL6の中の数字を対象に99.0%,ヒストグラムからメンバシップ関数を作成する方法では手書き教育漢字データベースETL8の中の平仮名を対象に96.0%の認識率が得られ,ファジー識別関数の有効性を確認した.また実験結果に対する考察より,今後は人間の知識を統計的手法にうまく融合していくことが重要なかぎとなることが判明した。