時系列の発生と認識を行う双方向型神経回路モデル

和久屋 寛  二見 亮弘  星宮 望  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J77-D2   No.1   pp.236-243
発行日: 1994/01/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
相互結合型神経回路網,  双方向型時系列パターン変換,  発生系,  認識系,  モールス符号,  

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あらまし: 
ヒトの脳では,運動系と感覚系の間に密接な関係のあることが,心理学的知見や生理学的知見から示唆されている.これに対し,時系列を扱う神経回路網の研究では,時系列発生と時系列認識は個別に進められてきた.本論文では,相互結合型の神経回路網に,時系列の発生と認識の学習を同時に行わせる双方向型の神経回路モデルが,発生あるいは認識の学習を単独に行う一方向型の神経回路モデルに比べて学習が容易になることを示す.この双方向型モデルでは,時系列の発生を行う系と認識を行う系が共存するため,それらを相互作用させることで,一方向型モデルでは扱うことのできなかった情報,つまり発生系であれば認識系からのフィードバック,認識系であれば発生系からのフィードバックを利用した学習もできるという構造上のメリットがある.モールス符号の発生や認識という比較的学習しにくい時系列処理課題を扱った計算機シミュレーションによると,一方向型モデルに比べて,時系列発生の学習能力が改善されることが確認された.