スペクトル拡散通信方式における遅延波の影響が除去可能な同期追従系

竹内 真  中川 正雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J77-B2    No.11    pp.590-598
発行日: 1994/11/25
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Print ISSN: 0915-1877
論文種別: 特集論文 (スペクトル拡散無線通信技術特集)
専門分野: 
キーワード: 
スペクトル拡散通信,  遅延ロックループ,  フェージング,  DLL,  

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あらまし: 
移動体通信の発達に伴い,耐干渉性,多元接続が可能等の多くの利点を有するスペクトル拡散通信方式の需要が増加しつつある.この通信方式の利点を最大限利用するためには拡散符号の同期獲得が必要不可欠である.しかしながら,通常の遅延ロックループによってフェージングや遅延波の存在する環境に対処することは非常に困難なものとなっている.その原因の一つに,遅延波の存在によって生じる定常誤差に起因する同期点のずれがある.この同期点のずれは,遅延ジッタの増加を引き起こし,出力信号電力対雑音電力比の低下を招き,システム全体の性能劣化へとつながる.従って,本通信方式において克服すべき課題である.そこで本研究では,遅延波による定常誤差の存在を明らかにし,遅延波の影響が除去可能な同期追従系を提案する.提案方式は,4段階の操作に分割することができる.第1段階では,複数の遅延ロックループにより各パスの遅延の初期推定を行い,第2段階では,適応等化器による受信信号の位相補償を行う.第3段階では,データ成分の除去,および,希望波成分の抽出を行い,最後に第4段階では,各遅延ロックループに混入する非希望波成分のレプリカを生成し,それを受信信号から減算することによって遅延弁別特性のひずみを軽減し定常誤差を削除する.以上のようなシステムを提案し,提案方式の有効性を計算機シミュレーションにより明らかにする.