エコーの存在するMSKコヒーレント光通信系の符号誤り率とパワーペナルティ

山口 義昭  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J77-B1   No.1   pp.46-55
発行日: 1994/01/25
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Print ISSN: 0915-1885
論文種別: 論文
専門分野: 光通信方式
キーワード: 
光波通信,  MSK方式,  エコー,  符号誤り率,  

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あらまし: 
通信伝送路中にエコーが発生すると,主波(直接伝搬光)に対してある時間遅れを有するエコーが受信器に到達することから,受信特性に劣化が生じることが知られている.本論文は周波数弁別積分型受信器をもつ光MSK通信系にエコーが存在する場合の符号誤り率を理論的に解析し,その影響の定性的かつ定量的な評価を試みたものである.その結果,コヒーレント光通信系においては一般にレーザ光に固有な位相揺らぎによって,符号誤り率曲線上に受信光パワーを増しても軽減不能なフロアが存在するが,このフロア値はエコーによって上昇し,主波に対するエコーの遅延時間がビット時間の整数倍のときに最大値を示すこと,また,ビットレートが高く搬送光のスペクトル線幅が小さいほどエコーの影響が顕著となることが判明した.更に受信光パワーと符号誤り率の関係を導出し,エコーの振幅,遅延時間および線幅・ビット時間積に対するパワーペナルティを算出し,エコーの影響が無視できなくなる条件を明らかにした.ついで光MSK方式と光DPSK方式を比較し,前者がよりエコーの影響を受けやすいことを明らかにしている.なお,本論文の特長は,符号列を考慮して主波とエコー間に位相相関の残る場合を厳密に解析している点にある.