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'Delayed-E/X' NLMS法において推奨されるステップゲインの範囲
藤井 健作 大賀 寿郎
誌名
電子情報通信学会論文誌 A
Vol.J77-A
No.4
pp.616-625 発行日: 1994/04/25 Online ISSN:
DOI: Print ISSN: 0913-5707 論文種別: 論文 専門分野: ディジタル信号処理 キーワード: ダブルトーク, 巡回型フィルタ表現, ステップゲイン, 学習同定法, 安定条件,
本文: PDF(631KB)>>
あらまし:
学習同定法に遅延Dを与えて適応フィルタ係数を更新するとき,ダブルトークの発生から適応フィルタ係数が乱れるまでにD標本化周期の時間的余裕が生まれる.従って,この遅延時間の間にダブルトークを検出し,その係数の更新を休止する処理を実行する構成とすれば,ダブルトークによるエコー消去量の減少は完全に防止される.本論文では,この遅延Dを挿入した学習同定法を'Delayed-E/X' NLMS法と呼び,その応用に際して推奨されるステップゲインの範囲をそのD+1次巡回型フィルタ表現を用いて導出した.すなわち,その遅延Dが適応フィルタのタップ数Iの約1/4以上となる場合において収束条件の上限はKu=I/(2D+1),となること,また,収束を最も高速化するステップゲインK0は-a+(a2+1)1/2と近似されること(但し,a=D/I)を同表現から導き,K0<Kuとなることを示した.この結果,K0<K≦Kuの範囲において収束が遅く,推定誤差も多いことが明らかとなり,'Delayed-E/X' NLMS法においては0<K≦K0がステップゲインの選択範囲として推奨されることがわかった.
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