単一振動子を用いたビーム直交型超音波相関流速測定法の解析

宿谷 昌弘  山本 克之  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J76-D2   No.6   pp.1305-1314
発行日: 1993/06/25
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 医用工学
キーワード: 
超音波,  流速測定,  相関,  生体計測,  

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あらまし: 
超音波ドップラー法では計測不可能な,超音波ビームに直交する流れの流速を単一振動子で測定できる計測法の一つに,単一振動子による相関流速測定法がある.本相関法は,単一振動子で,ある一定時間を隔てて得た二つのRFエコー信号の相関係数が流速に依存することを利用しており,これまでの報告から流速が測定可能であることは示唆されているものの,測定原理や精度についての詳しい解析は報告されていない.そこで本研究では,不規則点散乱体と非集束音場を対象に,本相関法の測定原理を記述する理論式を導出し,その妥当性をシミュレーションにより確認した.また理論式より,散乱体の移動量と相関係数の関係が,エコー信号のサンプリング位置や超音波のビーム幅,波長に依存せず,振動子の長さによってのみ決まることを示した.更に,測定精度についても解析し,測定精度と時間・空間分解能との関係を定量的に求めた.最後に,本相関法と同様,ビーム直交型の計測法であるスペックル速度計測法との比較を行い,本相関法は,(1)測定可能な最高流速が約3倍であり,(2)低流量における測定所要時間は同一精度で0.1倍程度に短縮できることを明らかにした.