AFMによるアラキジン酸カドミウムLB膜の表面構造の評価

柴田 幹  片岡 昭郎  岡田 裕之  女川 博義  宮下 和雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J76-C2   No.8   pp.537-544
発行日: 1993/08/25
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Print ISSN: 0915-1907
論文種別: 論文
専門分野: 材料
キーワード: 
LB膜,  アラキジン酸カドミウム,  オーバターニング,  AFM,  

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あらまし: 
本研究ではアラキジン酸カドミウムLB膜の表面構造のAFM(原子間力顕微鏡)による評価を試みた.測定領域をμmオーダ,垂直分解能をnmオーダで1層~5層の累積膜表面を観測した結果,疎水基が表面のLB膜と親水基が表面のLB膜で異なる表面構造が観測された.疎水基が表面のLB膜は膜構造が安定であり,AFMの分子像から求めた分子占有面横は累積比が0.7~0.8であるにもかかわらずπ-A曲線から見積られる0.2nm2と同じであった.分子の面内配列方向とDipping方向との相関はなかった.表面が親水基のLB膜は膜構造が不安定であり,累積直後は単分子膜が平たんに積層した表面構造であるが,アラキジン酸カドミウムの層構造に関係したステップ構造へと容易に変化することを観測した.この構造変化は一度基板に累模した膜分子が局部的にはく離し,累積膜の親水基表面にオーバターンして積層すると考えられる.AFMにより観測されたこの構造変化はE.F.Honigが提案しているオーバターニングモデルによる構造変化と良く一致する.