滑らかな2次元物体による電磁波散乱過程の分析のための拡張光線理論

生野 浩正  大森 俊之  西本 昌彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J76-C1   No.5   pp.119-129
発行日: 1993/05/25
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Print ISSN: 0915-1893
論文種別: 論文
専門分野: 電磁界理論
キーワード: 
過渡散乱,  光線追跡,  素過程,  チャート,  拡張光線理論,  

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あらまし: 
継続時間の短いパルスを用いて柱状物体からの散乱界を解析するとき,その散乱界は入射波の偏波方向や物体の形状や材質に関する情報を含んだ応答がそれぞれの伝搬時間をもったパルス列として観測され,これらを分析・識別することにより散乱現象を解明できる.本研究では,滑らかな2次元物体による電磁波の散乱過程を系統的に分析するための手法として,拡張光線理論(ERT)を提案している.ここでは,電磁波の散乱過程が6個の素過程により表現されることを示す.それら素過程の分析のために,光線追跡の技法を使って幾何光学光線および回折光線に関する2種類のチャートを作成する.これらのチャートを使うと,実光線に加えて焦線の影領域での複素光線からの寄与も含めて散乱界を評価できることが示される.実際,この理論を検証するために,チャートを使って抽出された実の散乱中心と複素の散乱中心から散乱光線の伝搬時間を計算し,その結果をもとに過渡応答を分析すると,すべての応答波形を実と複素の幾何光学光線と回折光線からの寄与として説明できた.