差動PSK信号位相の系列推定を行う遅延検波方式

小島 年春  三宅 真  藤野 忠  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J76-B2   No.10   pp.783-792
発行日: 1993/10/25
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Print ISSN: 0915-1877
論文種別: 論文
専門分野: 無線通信
キーワード: 
遅延検波,  ビタビアルゴリズム,  系列推定,  SST,  状態削減,  

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あらまし: 
移動体通信のディジタル化の急速な進展に伴い,復調方式として遅延検波方式が注目されている.遅延検波方式は,周波数非選択性フェージング下での動作が安定である等の利点を有しているが,その一方で静特性が同期検波方式に劣るという問題も有している.この間題を解決するため,遅延検波の静特性を改善する手法が研究され,種々の提案が行われてきたが,これらの改善手法では複雑な信号処理が必要であった.本論文では,より単純な信号処理で従来の改善手法に匹敵する静特性を実現する手段として,ビタビアルゴリズムにより送信差動位相の系列推定を行う遅延検波方式を提案する.提案方式は受信信号の位相情報のみを扱うため,信号処理は加減算のみの単純なものとなる.計算機シミュレーションにより,提案方式は良好な静特性を実現することを確認した.また,SST型ビタビ復号法に対応した信号処理を導入することにより,ビット誤り率特性の劣化を招くことなくトレリスの状態を削減できることを明らかにした.更に,ライスフェージング通信路や緩慢なレイリーフエージング通信路においても提案方式が有効であることを確認した.