光増幅器を用いるコヒーレントOTDRにおける非線形光学現象

泉田 史  小山田 弥平  古川 眞一  三川 泉  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J76-B1   No.2   pp.171-181
発行日: 1993/02/25
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Print ISSN: 0915-1885
論文種別: 論文
専門分野: 通信計測
キーワード: 
OTDR,  コヒーレント検波,  EDFA,  非線形光学現象,  自己位相変調,  4光波混合,  

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あらまし: 
エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)を用いたコヒーレントOTDRにおける入射光パルスパワー限界を明確化するため,高パワーのコヒーレント光パルスによる単一モード光ファイバ内の非線形光学現象と,それによるコヒーレントOTDRの性能劣化について検討した結果を述べる.従来,誘導プリルアン散乱と誘導ラマン散乱が入射光パルスパワーの制限要因と考えられてきたが,それらの臨界パワーより低いパワーで発生する二つの非線形光学現象が認められた.パルス幅1μSの場合は,EDFA内の反転分布の減少によって入射光パルスに強度こう配が生じ,試験光ファイバ内で自己位相変調による光パルスの光周波数シフトが起こる.その結果,後方散乱光とローカル光のビート周波数がコヒーレントOTDR受信帯域を外れる.パルス幅100nsの場合は,光パルスの強度こう配は小さく,自己位相変調の影響も小さい.しかし,入射光パルスがEDFAで発生した自然放出光と4光波混合を誘起し,ストークス光と反ストークス光に遷移するため,受信帯域内の後方散乱光強度が減少し,コヒーレントOTDR性能が劣化する.以上の検討結果は,コヒーレントOTDRの性能限界を把握する上で重要な指針を与えるものである.