解析木データベースを用いた単語間の共起関係の抽出およびその構文解析への利用

松本 一則  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J75-D2   No.3   pp.589-600
発行日: 1992/03/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,認知科学
キーワード: 
自然言語処理,  構文解析,  共起関係,  あいまい性の除去,  解析木データベース,  

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あらまし: 
自然言語を構文解析する場合,構文的な情報のみでは,正しい一つの解析結果を得ることは難しい.そこで,文中の特定の語同士がある意味的な関係のもとで共起するか,しないかという情報(単語間の共起関係)を実例より収集し,同情報を用いて最も確からしい解析結果を決定するアプローチがある.同立場における従来の研究の場合,品詞のあいまいさが解消できても構造上のあいまい性が解消できなかったり,使用する共起関係のデータを人手で作成する必要があったりした.本論文では,文とその正しい解析木の組(解析木データベース)から共起する語の組である「正の共起」と共起しない語の組である「負の共起」を自動抽出する手法および,「正の共起による優先」と「負の共起による抑止」の構文解析への利用手法を提案する.本手法の場合,自動抽出によって得た共起関係によって品詞および統語構造のあいまいさを減らすことができる.実験の結果,共起関係の抽出に用いる文章群と解析対象が似通っていれば,本手法は十分有効であることがわかった.また,本手法で用いる解析木データベース作成のコストは,同等の効果を得るために解析文法を人手で改善する従来手法のコストより小さくて済む.