連鎖的アボートのない多版先読みスケジューラ

木庭 淳  加藤 直樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J75-D1   No.2   pp.98-106
発行日: 1992/02/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: データベース
キーワード: 
データベースシステム,  並行処理制御,  障害回復,  直列化可能性,  スケジューリング,  

本文: PDF(638.1KB)>>
論文を購入




あらまし: 
データベースシステムのスケジューラはデータの首尾一貫性を保証するために,各トランザクションのデータ項目への読出し(read)・書込み(write)要求の発生時に,その要求の遅延か許可,若しくはトランザクションのアボートを判断する.このうち先読みスケジューラは,データベースにさまざまな障害が起こった場合を除く正常な実行の範囲内において,後退復帰を必要とせず,デッドロックが生じないという優れた特性をもっている.すなわち,時刻印方式や2相ロック方式に見られるような,並行処理制御の方法自体が原因となるアボートは生じないことが保証されているため,デッドロックに対する対策は不要である.しかし実際問題として,ごくまれにトランザクションレベルあるいはシステムレベルでの障害の可能性はあるため,障害回復への対策は先読みスケジューラと言えども避けることはできない.本論文では,あるトランザクションのアボートが他の正常なトランザクションのアボートを引き起こすような連鎖的アボートを避けるために,版の割当てを常にコミット済みの版に対して行うような多版先読みスケジューラを提案する.