スパッタリングによる(CdZn)S混晶半導体薄膜の特性

矢野 満明  行天 成和  越智 秀  角 修吉  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J75-C2   No.3   pp.141-148
発行日: 1992/03/25
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Print ISSN: 0915-1907
論文種別: 論文
専門分野: 半導体材料・デバイス
キーワード: 
n形ドーピング,  X線回折,  ラマン分光,  光吸収特性,  

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あらまし: 
太陽電池への応用を目指して,スパッタリング法で(CdZn)S混晶半導体薄膜を作製し,可視光透過性に優れたn形低抵抗膜の作製条件を検討した.揮発性の高いSを過剰にしたCdSとZnSの混合焼結ターゲットから化学量論比に近い(CdZn)S薄膜が得られた.最適条件で作製したガラス基板上のCdS膜は配向性の高い粒径200nmの多結晶膜であった.(CdZn)S薄膜の混晶比を制御することは容易で,ターゲット中におけるCdとZnのモル比にほぼ等しくなることがわかった.n形低抵抗を得る不純物としてIn2S3とCdCl2を比較したところ,In2S3はCdIn2S4の形で析出するためドーピング効率が悪いのに対し,CdCl2は結晶性を低下させずに良好なドーピング特性を与えることがわかった.CdS膜に最適化した条件でCd0.8Zn0.2Sを作製したところ,CdCl2をドープした膜でバンドギャップエネルギー2.65eV,抵抗率10Ωcmの特性が得られた.これはヘテロ接合薄膜太陽電池の窓層として十分に使用可能な特性である.