格子形フィルタを用いたアダプティブアンテナ

桐本 哲郎  原沢 康弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J75-B2   No.11   pp.843-853
発行日: 1992/11/25
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Print ISSN: 0915-1877
論文種別: 特集論文 (空間領域における適応信号処理とその応用技術論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
アダプティブアンテナ,  格子形フィルタ,  直交化,  干渉信号抑圧,  最小2乗法,  

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あらまし: 
従来のアダプティブアンテナでは,実装が容易であることから荷重を調整する演算処理手順としてLMS(Least Mean Square)アルゴリズムが広く用いられている.しかしながら,このアルゴリズムを用いた場合,荷重の収束速度が遅い,複数干渉信号に対する抑圧性能が十分に得られない場合があるなどの問題があった.本論文では,収束速度の高速化,複数干渉信号に対する抑圧性能の向上を目的として,格子形フィルタを応用したアダプティブアンテナを提案する.DSP(Digital Signal Processor)の除算演算時間が乗算に比べて数十倍要することを考慮して,このアダプティブアンテナでは,ラティス反射係数の計算に空間積分を導入することで収束速度を高速化していると共に除算量を削減して実装を容易にしている.実験の結果,2波の干渉信号に対して,10回の荷重更新で約30 dBの干渉信号抑圧比が得られた.これは従来のLMSアルゴリズムを用いたアダプティブアンテナと比較して,収束速度で約3倍の性能改善である.