学習同定法における修正定数の最適制御

藤井 健作  大賀 寿郎  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J75-A   No.6   pp.975-983
発行日: 1992/06/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 
学習同定法,  修正定数,  最適制御,  エコーキャンセラ,  収束特性,  

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あらまし: 
学習同定法において得られる収束速度は修正定数(ステップゲイン)を1とする場合に最も速く,また推定精度は0に近いほど高くなる,とされている.本論文では,その値1から推定誤差の減少に合わせて徐々に小さくする修正定数の最適制御法について検討した.まず,既に導出した同制御に必要な推定誤差の減少過程を記述する理論式を用い,エコー経路利得と周囲騒音を既知として最適制御値の変化を調べた.その結果,最適制御値を1と固定的に与えられる区間が推定の初期において存在することが見出された.すなわち,その間を利用してエコー経路利得と周囲騒音の両平均パワーを算出するように構成すれば,両平均パワーを動作開始時点から既知として最適制御を行った場合と同等の収束速度を得ることができる.そのエコー経路利得の平均パワーは同区間中の入力信号と出力信号のパワー比から,周囲騒音の平均パワーは最適制御時の収束特性と,修正定数を固定的に1と与えて得られる収束特性との差が2dBとなる時点の残留エコーの平均パワーの1/5として算出される.本論文ではまた,推定の初期の収束特性は対数座標において直線となることを利用する制御法も導出した.