スタック型忘却随伴メモリメンテナンスシステムの動特性について

浅見 徹  橋本 和夫  山本 誠一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J74-D2   No.12   pp.1756-1767
発行日: 1991/12/25
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,認知科学
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あらまし: 
本論文は,推論機構の基礎となるメモリモデルとしてスタック型忘却随伴メモリメンテナンスシステムを提案し,その基本的性質と,その上で行う推論方式について考察するものである.提示するメモリモデルは,(1)確率的な忘却機構をもつ有限長のプッシュダウンスタックであり,(2)記憶および消去といったメモリオペレーションをプログラムの制御外に位置づけたものである.このスタック型忘却随伴メモリメンテナンスシステムは,人間の短期記憶の大きさが大体7±2であるとするG.A.Millerなどの研究によって知られた事実とブラウン・ピーターソンの実験結果を一つのモデルで説明できるところに特長があり,人間の記憶機構に関する従来の心理学上の実験データとよく整合する.更にプロダクションシステムのプロダクションメモリやワーキングメモリとして使用した場合に生ずる従来システムとの相違点および問題点について考察し,これらの問題を解決するため忘却確率から導出される重み付け関数を新たに求め,確信度をこの関数を使って説明できること,心理学におけるリハーサル効果と似た現象を,推論途中の事実の参照回数から統計的に導くことができることを示す.