選択肢回答の分布特性の定量的分析

竹谷 誠  松居 辰則  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J74-A   No.1   pp.127-135
発行日: 1991/01/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 教育工学,人間工学,医用生体工学
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あらまし: 
選択肢回答形式のアンケート調査法は,人間の行動や心理的側面を測定する代表的な方法である.この方法によって得られたデータは大別して次の3種類に分類できる.型データ:評定値が高いほど評価を高く設定している評定尺度データ,型データ:評定値の中央値が最も評価が高く,両端を最も低くしている評定尺度データ,型データ:評定値の値が特別の意味を持たない名義尺度データ,の3種類である.先に,筆者のひとりは型データの分析法として,意味構造分析(SS分析:Semantic Structure Analysis)を提案し型と型データにもSS分析が適用できるようにすると共に,回答分布の統計的特性を表す指標として,有効カテゴリー数という概念を提案した.また,型,型,型データそれぞれのSSグラフの系列基準が,順に平均評定値,中央値のまわりの2次モーメント,有効カテゴリー数であることを示した.そこで本論文では,未解決であった二つの問題,型データにおける,SS分析とエントロピーを用いた回答特性の分析法との関係や既存の回答特性との関係,型,型データにおける,SS分析と因子分析との数理的な関係の解析を考察する.の課題に対しては,まずエントロピー測度の順序性係数を新提案し,順序性係数との特性比較を行う.また,型データにおける有効カテゴリー数と平均評定値との関係,および選択肢テスト項目の場合の有効カテゴリー数と平均正答率との関係を解析し,回答分布の数理的構造を明らかにする.の課題に対しては,型データのSS分析における順序特性とセントロイド法による因子分析との関係を解析し,各因子に含まれる項目群内の順序性は高いことを導く.因子分析を代表する主因子法とSS分析の関係は現在検討中であるが未解決であり,本論文ではセントロイド法に限定し,両者の関係を解析する.