ECRプラズマ陽極酸化によるSiO2薄膜の生成

松村 幸輝  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J73-C2   No.9   pp.498-507
発行日: 1990/09/25
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Print ISSN: 0915-1907
論文種別: 論文
専門分野: 材料
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あらまし: 
電子サイクロトロン共鳴(ECR)条件を備えたマイクロ波プラズマ中で単結晶Siウェーハを陽極酸化した場合の酸化特性と作成した酸化シリコン薄膜の膜質について調べた.酸化膜の成長速度は酸素ガス圧によって大きく変化し,比較的高い酸素ガス圧で最大値を示した.また,酸素ガス圧に伴って,種々のプラズマパラメータおよび基板温度などが変化することから,酸化膜の成長過程はプラズマからのO原子の供給と,Si-酸化膜界面において生成するSi原子およびダングリングボンドの生成の両方に依存すると考えられた.そして,X線光電子分光法による酸化膜の組成分析から化学量論的なSiO2が生成されることが観察され,この結果は酸化膜の成長過程についても知見を与えた.更に,この酸化膜を用いて作成したMOS素子の電気伝導を調べた.その結果,酸化膜のself-healing breakdown前の直流高電界電気伝導は,schottky emissionによって注入された電子が酸化膜をトンネリングすることに基づくこと,およびself-healing breakdown後に現れる負性抵抗は,不純物イオンによる空間電荷の形成によって生じることが示唆された.