線形代数方程式の分割解法―コンピュータネットワークによる分散処理―

筒井 章博
池田 雅夫

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J73-A    No.1    pp.103-111
発行日: 1990/01/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: アルゴリズムとデータ構造,計算複雑度
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あらまし: 
ハードウェア技術の進歩によって,最近ではワークステーションレベルの計算機を少人数で所有することができる.更に,これらの計算機を何らかの通信回線で結び,LANを形成して,資源の有効利用が積極的に行われている.そこで本論文では,分散処理による線形代数方程式の解法アルゴリズムをネットワークシステムで実現した結果を報告する.一般にLANによって結ばれた計算機を分散処理系として運用するときには,CPU間の通信の高速性と高度な通信制御が必要となる.本論文で用いるアルゴリズムは,与えられた問題を完全に分割することによって,各CPUに割り当てられたジョブが互いに情報の交換を必要としない「疎結合分散処理」によって実行できるものである.まず,この手法の有効性を演算回数の評価によって検証し,適用可能な問題のクラスを考察する.そして,工学系に現れる多くの大型線形代数方程式がこのクラスに属することを述べる.最後に例として,複数モジュールの結合によって成り立っている構造物の有限要素法による解析問題を実際のネットワークシステムで実行して,有効性を確認する.