複合余弦波で表現する音響波形分析手法

溜渕 一博  齋藤 收三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J72-A   No.1   pp.49-55
発行日: 1989/01/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 


本文: PDF(595.8KB)>>
論文を購入




あらまし: 
本論文は,有限個の周波数成分で構成される波形を分析対象とし,その周波数成分の周波数,初期位相および振幅を,成分波の数の3倍の数の離散的データと代数的手法のみを用いて決定する波形分析法の提案である.この分析法では,まず,三角関数の和を積に直す公式を利用して周波数を決定し,この周波数の値を用いて初期位相と振幅を決定する.実証のために,帯域内多周波信号方式用の信号を例に,本分析法による周波数分析の計算機シミュレーションを行った.信号は,低域周波数,高域周波数が共に4種類で,低域と高域のそれぞれ1種類ずつを成分周波数とする16種類の複合波である.分析は,低域と高域のそれぞれの周波数に±1.3%の変動を独立に与え,初期位相を余弦波に対する-90°から270°までの任意の値として,振幅を1倍から1/16倍まで変化させて行った.標本化周波数は4.48kHz,振幅量子化は12ビットである.分析結果の多周波信号周波数に対する,上で与えた周波数変動分を含むずれの最大値は,10万回の試行で,-3.9%であった.また,5個の成分をもつ波形の分析で,倍精度の離散的データを用いて,9けた以上の精度を得た.