人体模擬円柱の電磁波集束加温による温度分布

雨宮 好文  朝比奈 譲二  多田 弘行  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J71-B   No.12   pp.1664-1671
発行日: 1988/12/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 論文
専門分野: 電波応用
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あらまし: 
人体周囲から電磁波を照射して行うハイパサーミアにおいて,電磁波の励振(集束)と温度分布との直接的な関係を近似的に把握するため,人体モデルを均質円柱とし,その周囲から同相電磁波を照射し円柱断面内の定常的温度分布を計算した.計算は円柱半径15cmについては周波数50~150MHz,円柱半径7cmについては周波数200~1000MHzの加温を行い,円柱周囲は温度10~15℃,流速0.15~0.42m/sの水流で冷却するものを想定した.周波数の高いほど中心での発熱量は小さいので,中心の温度を42.5℃に保つように励振するときは周辺近くで過熱状態となる.この状態は,流水の温度や速度によりあまり改善されない.血流が小さいほど,また半径が大きいほど,低い周波数でこの過熱状態が起きる.血流が大きいほど,必要な加温電力は大となる.温度分布は発熱量分布より形状がなだらかであり,温度の局所的ピークはみられない.Jouvieらは頸部模擬均質円柱(半径7cm)につき周波数1000MHzのphased array使用を想定して発熱量分布を計算しているが,本論文の結果によると,水流の温度を例えば30℃に高めれば直径12cm以内の範囲で必要温度が得られるということになる.