指定した偏角付近にある極のみ推定する方法によるホルマントに対応した極の高速推定について

鎌田 弘之
石田 義久
小川 康男

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J70-D    No.2    pp.376-386
発行日: 1987/02/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
専門分野: 信号・情報処理
キーワード: 


本文: PDF(1.1MB)>>
論文を購入



あらまし: 
本論文は,線形予測分析により得られた分母多項式から,所望のホルマントに対応した極を,直接推定する方法について述べている.分母多項式からホルマントに対応した極を求めるには,一般に,高次代数方程式を解く必要があり,ホルマント推定の高速化は図りにくく,精度も得にくい.そこで,分母多項式に含まれる複数の極のうち,複素平面上の指定された偏角付近に存在する極(指定極と略す)のみを推定する新しい方法を考察し,良好な結果を得た.これは,実係数代数方程式の求解法の一つであるベアストウ法を基本とし,加えて本論文で提案する,もとの多項式に対して,原点に根を数個持つように変更して解く方法を併用することにより,指定極の推定の際生じる障害を除去している.更にこの方法は,2次因子の推定を基本とするベアストウ法において,求解の妨げとなる原因の一つである,実根(1次因子)を奇数個含んだ多項式の求解にも応用できる.本論文では,ベアストウ法による多項式の求解過程を確認した後,これに本方法を加えた場合の特徴,および奇数個の実根を含む多項式の求解法をコンピュータ・シミュレーションに基づいて明らかにする.そして,この方法を適用することにより,ホルマントに対応した極を高速で,かつ精度よく推定できることを示す.